連載コラム vol.3

フランス、あまい夏のエピソード

Épisode

フランスの夏を感じる、色

photo: tsukao / edit & text: Mitsuharu Yamamura

vol.3

2018.7.27
update

界にはあらかじめ、無数の美麗な色彩が散りばめられています。私たち人間はそれらの色がもたらす心理的効果によって、色の数だけ、感情がさまざまに揺さぶられていることを知ります。

とりわけフランスの人たちは、色が携えたパワフルな影響を十全に、感覚的に理解し、生活の中に取り入れるのが実に巧妙。その時の気分に寄り添わせ、あるいは気分を変えるために、日々あらゆる色使いを愉しんでいます。

「ピエール・エルメ・パリ」のエグゼクティヴ シェフ パティシエのドラピエさん曰く、夏の色と言えば連想するのは「まずは青。空の青です。日本の夏空は雲を想起しますが、フランスは夏も空気が乾燥しているので空がとても鮮やかで明るく、夏といえばたちまちイメージさせてくれます。そしてさんさんと降り注ぐ太陽の黄色。フランスの子どもたちに尋ねてみても、きっとこの2色と答えることでしょう」

そして全体的なトーンは、強い陽射しによって起きるハレーションのような白っぽい、明るい色。それらを意識的に取り入れます。バッグや傘など身のまわりの小物や、クッションやリネンものなどのインテリアグッズ、またとくに女性はバカンスの前になると、こぞって自分に似合う美しい色使いのドレスやワンピースを新調し、夏の間じゅうさらっと一枚で身に纏います。

バカンスの時期になると、彼らは外で食事をとることがてきめんに多くなります。木漏れ日の射すテラスや庭にテーブルを出し、花やフルーツ柄をあしらった、カラフルなテーブルクロスをはらり。そこによく冷えた白ワイン、籠に盛られたパンやフルーツ、ハーブやレモンをたっぷり使ったタブレなどをとりどり並べれば、フランスらしい夏の食卓が完成!家族や親戚などの心近い人たちがまわりを取り囲み、人生最高のかくも美しく幸福な時間を謳歌するのです。

「ピエール・エルメ・パリ」は、その時期、その時代に合わせたカラーリングの妙をとても大切にしています。とくにブランドのアイコン的存在であるマカロンは、そのハッとするような可憐で洗練された色遣いがたびたび話題に上り、流行を巻き起こします。ドラピエさん曰く「ピエール・エルメのインスピレーションは常に生きています。さまざまな国へ旅をして得た気分を軽やかに取り入れながら、常に移り変わり、シーズンごとに出される商品にすべからく生かされているのです」

ヴルーテ フランボワーズ
ふたつの異なる色のコンビネーションが楽しめる
「ヴルーテ フランボワーズ 」。
フルーツソースがかかった
プレーンヨーグルトを口に入れた時の、
絹のように柔らかなテクスチャーと、甘酸っぱいフレーバー。
この素晴らしい味覚の体験を、マカロンで再現しました。
フランボワーズとヨーグルトが楽しく呼応し、
ふんわり甘酸っぱいミルキーな風味を醸し出します。
またガナッシュの真ん中にそっと置かれたフランボワーズが、
はっとするような味覚のアクセントを生んでいます。

PIERRE HERMÉ PARIS
2018 SUMMER COLLECTION

小さいながらも、私たちの心を捉えて離さない洗練されたお菓子、マカロン。定番人気のフレーバーや、爽やかな夏限定の味わいを詰め合わせたギフトをラインナップ豊富にご用意しました。

MACARONS一覧

フランス、あまい夏のエピソード

photo (column):

tsukao

大学卒業後、写真家菅原一剛氏に師事、2006年独立。広告、雑誌、書籍、音楽、CMなど幅広く活動中。
著書に「東京空気公園」(主婦の友社)「うたかた」(角川/プレビジョン)。
写真詩集「どこかの森のアリス」,「雪の国の白雪姫」(谷川俊太郎・小松菜奈 / PARCO出版)では写真と映像を担当。
2015年写真集「ALL L/Right」(リブロアルテ)出版。全国8カ所で同名展覧会を開催。
ハワイで双子を撮りおろした写真の展覧会「hulu melemele」がキヤノンギャラリー銀座にて6/21-27、
キヤノンギャラリー名古屋で7/12-18、キヤノンギャラリー大阪で7/26-8/1開催予定。
http://tsukao.net