連載コラム vol.1

フランス、あまい夏のエピソード

Épisode

フランス流、フルーツのたのしみ

photo: tsukao / edit & text: Mitsuharu Yamamura

vol.1

2018.6.29
update

々の葉が風で掠れるように心はざわめき、頬はフランボワーズよろしく紅く染まる。夏が近づいてくると、フランスじゅうがとてつもない高揚感に満たされます。そう、バカンスの季節です。フランスの伝統として通常、大人は3〜4週間、子どもは2ヶ月ほどのロングバケーションを手にします。とくに学校は9月が年度始まりゆえ、彼らにとっては、人生が新しく変わる節目の時期でもあります。

どこで何をして過ごすか、それが人々のもっぱらの話題。今はインターネットがあるので直前でもプランを立てられるようになりましたが、かつては冬のうちから行き先を決め、予約をとり、と準備にいそしむのが当たり前。待ちわびる期間が長い分、否が応にも気持ちは盛り上がります。

実際に休暇がはじまるとまず彼らは、学校や仕事のために朝早く起きなくてもいいという、この上ない自由と喜びを謳歌します。さらに夏のフランスは11時頃まで空が明るいため、多くの人たちはこぞって外に出かけ、最後までたっぷり陽光を惜しむように、愉悦のひとときを味わい尽くすのです。

かごに詰めるのは、ワインとパンとチーズ。そこに少しのフルーツさえあれば、完璧なシチュエーションが生まれます。

高温多湿な日本の気候に比べ、フランスは寒暖の差があることで農作物が育ちやすく、夏にも多くのフルーツが収穫されます。もも、いちぢく、メロン、フランボワーズ。少し涼しくなるとりんごやいちごもお出まし。店の軒先にはそれら色とりどりのフルーツがこんもりと盛られ、人々は必要な分だけ取る量り売りスタイルが基本。たてもたまらず買ったそばからガブリ、というシーンもたびたび見かけます。
生で食べるのが基本ですが、ヨーグルトに入れたり、またたくさん手に入ったならジャムを煮たり、タルトを焼いたりします。冬になると冷凍ものやコンポートを使わざるを得ませんが、夏は思う存分、フレッシュのフルーツをふんだんに使えるので、作る方も食べるほうもうれしいのです。

「ピエール・エルメ・パリ」のエグゼクティヴ シェフ パティシエのドラピエさんは、5〜6歳の時。母親がタルトを焼くそばで、余った生地を使って小さなお菓子を作っていたそうです。「単なる遊びの延長でした」とドラピエさんは言いますが、そんなひとりの無邪気な少年が、いずれ名パティシエになるなんて、誰が想像したでしょう!

「ピエール・エルメ・パリ」とフルーツは、
無論切っても切れない蜜月の関係。
誰もが想像できるシンプルな味わいのフルーツも、
ピエール・エルメの手にかかれば、
そのかぐわしき魔法によって、
唖然とするほどユニークな味覚に変身させます。
現在は夏らしい爽やかなフレーバー、
レモン皮とレモンコンフィ入りの
サブレ
サブレ アンフィニマン シトロン」を季節限定で販売。
レモンの全ての味覚が詰まった絶妙なハーモニーと、
口いっぱいに広がる
わくわくするような芳香を、心ゆくまで。

PIERRE HERMÉ PARIS
2018 SUMMER COLLECTION

フレッシュバターなど、厳選した素材をふんだんに使って焼き上げられたピエール・エルメ・パリのエスプリ溢れる贅沢な焼き菓子。お日持ちが気になる遠方の方へのギフトにもおすすめです。柑橘の香り高い焼き菓子は、爽やかな夏らしい味わいとして、お中元にもぴったりです

SABLES 一覧 サブレ アンフィニマン シトロンのご購入

フランス、あまい夏のエピソード

photo (column):

tsukao

大学卒業後、写真家菅原一剛氏に師事、2006年独立。広告、雑誌、書籍、音楽、CMなど幅広く活動中。
著書に「東京空気公園」(主婦の友社)「うたかた」(角川/プレビジョン)。
写真詩集「どこかの森のアリス」,「雪の国の白雪姫」(谷川俊太郎・小松菜奈 / PARCO出版)では写真と映像を担当。
2015年写真集「ALL L/Right」(リブロアルテ)出版。全国8カ所で同名展覧会を開催。
ハワイで双子を撮りおろした写真の展覧会「hulu melemele」がキヤノンギャラリー銀座にて6/21-27、
キヤノンギャラリー名古屋で7/12-18、キヤノンギャラリー大阪で7/26-8/1開催予定。
http://tsukao.net